着物と季節│苦手な人必見、和装の衣替えルールを徹底解説!

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初めて着物をお仕立てしてもらった際、呉服屋さんに、

店長さん

「袷にする?単衣にする?」

と聞かれ、固まった私。

Meiji
Meiji

( ^ω^)・・・。(なんじゃそりゃ?)

 

店長さん

(あ、話通じてない・・・)えっと・・・
袷(あわせ)は夏以外に着て、単衣(ひとえ)は6月・9月に着るものだよー。

 

と教えてくださいました。

このとき、着物にも季節に合わせた着方があることを初めて知りました。

でも、洋服のときと違って着物の衣替えは少し複雑…
「難しそう・・・」と抵抗がある方もみえるのでは?

Meiji
Meiji

また、着物の衣替えはルールが曖昧。本や雑誌、ネット情報によって書いてあることが変わってくるのですよ…

本日はこの着物の衣替えルールを難しく考えなくていいように解説!

いままで数多くの着物愛好家を目で見たり、Instagramで情報を収集してきました。

教科書どおりじゃなく、実際はどうやってみんな着ているか、『着物の衣替えのリアル』をお伝えしますね♪

  • 着物の衣替えについて、基本の知識を知りたい
  • 実際、衣替えのルールは絶対守らなきゃいけないの?
  • 2か月しか使用しない夏物をリーズナブルに購入したい!

とお悩みの方におすすめの内容になっています。

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この記事を書いた人
Meiji(めいじ)

着物愛好歴9年目突入!
きもの文化検定 3級取得。

これまで100枚を超えるリサイクル着物・帯を購入!
保管・収納に困り、買取会社で売却 ⇒ 断捨離&着物購入の資金に…
着物・帯60枚以上を20社で買取に出した買取オタク。

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和装にも『衣替え』がある。季節に合わせた着物美人を目指せ!

1月から起算すると、一年を通して5度衣替えをするタイミングがあります。

着物をベースにして考えると・・・

  • 1月~5月 ⇒ 袷(あわせ)の着物
  • 6月 ⇒ 単衣(ひとえ)の着物
  • 7月~8月 ⇒ 盛夏の素材を使った着物
  • 9月⇒ 単衣(ひとえ)の着物
  • 10月~12月 ⇒ 袷(あわせ)の着物

着物の衣替えをベースに帯や半衿、帯揚げ、帯締めなどの小物も季節に合わせて変えていきます。

▼ざっくりこちらでまとめました。

衣替えスケジュール

紫ちゃん
紫ちゃん

それぞれ詳しく説明していくね!

10月から5月までの着物│気温の低いときに着る袷(あわせ)

まずは『袷(あわせ)』の着物とは?

袷(あわせ)とは?
着物の反物に裏地をつけて仕立たもの。裏地には絹、綿、ポリエステルなどが使われます。
裏地が風を通しにくく防寒のため、秋から春先にかけて着られます。この裏地は、表地を守ったり裾捌きを良くする目的もあります。
また、裏地には2種類に分けられ、胴回りには『胴裏どううら』、裾まわりには『八掛はっかけ』をつけます。

外から裏地がチラッと見えるのが粋なポイント。

裏地

Meiji
Meiji

裏地が着物に合う色だと、オシャレ~✨となります。

この10月から5月にかけて合わせる、帯、小物類は以下の通り。

【袷時期の帯と小物】
帯 ⇒ 八寸帯、九寸帯 すけ感のない素材のもの(塩瀬しおぜ、紬、博多織、西陣織)
帯揚げ ⇒ 冬用すけ感のない素材のもの
帯締め ⇒ 冬用(レース組以外のもの)
半襟 ⇒ 冬用(塩瀬、刺繍、縮緬など)

この袷の時期は複雑なことはあまりないです♪

7月〜8月の着物│猛暑の時にも着られる盛夏の『薄物(うすもの)』

単衣の解説よりも先に、盛夏の着物について…

盛夏の時期は『薄物』と呼ばれる夏用の素材を選びます♪

着物を着始めた時、私にとって未知の存在だったのが、この『夏物、薄物』。

Meiji
Meiji

着物と縁遠い生活をしていると、初めて知ることばかり・・・

順を追って説明していきますね♪

盛夏の薄物(うすもの)とは?
薄く織られた布の総称をいいます。7月、8月の盛夏の時期に着ます。
具体的には、『絽』、『紗』、『羅』、『麻の上布』などがあります。

盛夏の薄物とはどんなもの?素材・織り方を紹介します。

絽、紗、羅、麻の上布ってどんなものでしょう。

絽(ろ)とは?
盛夏のフォーマル着物としても着られる、薄物の定番。
着物だけでなく、襦袢、帯、半衿、帯揚げなどにも使われていますよ😊
経(たて)糸2本を絡ませ、その間に何本かの緯糸を入れて平織りされています。
▼このように定期的に隙間ができるように作られています。

絽
素材としては正絹、綿、ポリエステルなどがあります。

紗(しゃ)とは?
柄や紋の有無によりますが、比較的カジュアルなシーンで活躍します。着物、襦袢、帯、帯揚げなどに使われています。
2本1組でからめれた経糸に緯糸を1本通して織る、『からみ織り』で織られています。
全体的に目が空いていて、隙間が縦も横も等間隔に織られています。絽よりも透け感があり、涼しげです。

紗

こちらも素材には正絹、綿、ポリエステルなどがあります。

羅(ら)とは?
盛夏のカジュアルな装いに合う織り方です。
絽、紗よりも古くからある、羅(ら)の織り方。
織り方が大変複雑という羅。経糸4本を絡ませて、そこに1本緯糸を通します。
絽、紗と比べ一番目がざっくり大きいものが羅です。

★麻の上布 とは?
苧麻ちょま(からむし)という、麻の中でも細い糸で平織りした上質な布。「幕府に献上されていた」なんていう、雅なものです。
麻なのでさらっとしていて、通気性がよい特徴があります。夏物の着物や帯として最適です。

盛夏の着物コーデを伝授!

薄物の素材や織り方についてご理解いただけたら、次は盛夏(7月~8月)のコーデ事情について!

ポイントはいかに涼しげに見えるか!夏の和装アイテム=透け感があるもの』と覚えるといいです♪

具体的に何を合わせればいいか、というと・・・

【盛夏(7月~8月)の時期の帯と小物】
着物 ⇒ 絽、紗、麻(小千谷縮、越後上布 etc…)など…
※フォーマルシーンでは絽、カジュアルシーンでは紗や麻がオススメ。
 ⇒絽、絽綴れ、紗、羅、麻(上布)など…
半衿 ⇒ 絽、麻絽 など…
帯揚げ ⇒ 絽、紗 など…
帯締め ⇒ レース組、ビーズ など…

どれも透け感やシャリ感があるので、涼やかなコーディネートに仕上がります。

夏物の帯や小物をお安く購入する、代用するコツ!

たった2ヶ月の為にわざやざ夏用の物を購入するってなんだか気が引けるなあ…

 

と思われた方もいませんか?

Meiji
Meiji

もちろん貧乏性な私もその一人で、「夏に着物を着るために、こんなにアイテムが必要なの!?」と驚きました。

でもリーズナブルな買い方や代用できるものを覚えておくと、かかる費用が抑えられます♪

夏物の費用を抑える賢い方法① リサイクルで購入する!

このサイトに何度も出てくる「リサイクル品でどうにかする!」ってワザです。

リサイクルならとってもリーズナブルに購入ができます。

絽・紗の着物が5,000円以下で販売されていたり、麻の上布なども3,000円以下のものもありますよ♪

リサイクル着物の選び方やオススメのリサイクルショップについてはこちらで詳しく紹介しています。

夏物の費用を抑える賢い方法② 半幅帯を活用する!

1年中締められる半幅帯。花火大会などで浴衣を着たことがあるなら、おうちに1本は揃っていたりするのではないでしょうか。

半幅帯とは?
浴衣の時によくみかける帯。名古屋帯の半分ほどの幅となっている。格としては、カジュアルで気軽な場面で着用すると良いです♪

半幅帯は浴衣だけじゃなく、カジュアル着物にも合わせられます。

半幅帯
結ぶ時お太鼓を作らないので、帯揚げも帯締めも不要!なので、わざわざ夏用に帯揚げと帯締めを購入しなくても済みます♪また、半幅帯自体も他の帯と比べるとお手頃な価格です。

私が着物を着始めた時、手持ちの夏帯が少なくて、このワザをよく使っていました。

Meiji
Meiji

半幅帯は結び方のバリエーションが豊富で、リバーシブルのものも多い。知れば知るほど魅力に取りつかれるような帯です(笑)

 

夏物の費用を抑える賢い方法③ 三部紐、手ぬぐい、ガーゼ…帯揚げ・帯締めを代用する!

三つめは、帯揚げと帯締めをリーズナブルなもので代用してみましょう♪

私は夏用のレースの帯締めを持っていません。『三部紐』と呼ばれる細い紐に帯留めを付けて盛夏は乗り切っています。

夏の帯揚げの代用品はたくさんあげられますよー✨要は透け感のある布ならいいわけです。

ガーゼ、オーガンジーの布、スカーフ、手ぬぐい…などなど。100円ショップで購入できるものばかり。

130cm×40cmくらいに切って使うと夏の帯揚げに大変身です♪

最初から無理してあれもこれも買わなくても、こんな工夫をすれば夏の着物ライフも楽しめます。

6月・9月の着物│季節の変わり目に着る単衣(ひとえ)

一番悩ましい時期がこの6月・9月の衣替え事情です。
洋服でもこの時期は「今日は何着よう?」と、天気予報とにらめっこする難しい時期ですよね…

単衣とは?単衣時期のコーデ事情!

まずは、単衣とは何か?

単衣(ひとえ)とは?
胴裏どううら八掛はっかけなどの裏地をつけずに仕立てたもの。裏地がない分風通しが良く、初夏の暑くなり始めた頃や、残暑の時期に着用します。

【単衣時期の帯、小物】
帯 ⇒ 涼しい日は冬帯(塩瀬しおぜ、紬、博多織、西陣織)、温かい日は透け感のある夏帯(、紗、羅、麻など)

紫ちゃん
紫ちゃん

あえて目安をいうなら、
6/1~10、9/11~ ⇒ 冬帯、
6/11~9/10 ⇒ 夏帯 
という感じかしら…
※これはあくまで参考、気温と自分の心地よさを重視しましょう。

帯揚げ、半襟 ⇒ 6月〜9月頭までは夏物、9月中頃からは冬物
※夏物⇒すけ感のあるもの(絽、麻など)、冬物⇒すけ感の無いもの(塩瀬、縮緬など)

帯締め ⇒ 6月〜9月頭までは夏物(レース組など)、9月中頃からは冬物 ⇒ 夏帯

単衣と袷の間は悩ましい…気温と自分の心地よさを重視しよう♪

単衣の帯や小物合わせはわかったんだけど、単衣に切り替わる5月、10月ってまだまだ暑くない?😭

紫ちゃん
紫ちゃん

そうなのよ、暑いのよ!!!袷なんて着ていられないのよ!

5月でも10月でも30℃を超える日もざらにある、現代日本💦

つまり、この時期は「ルールに縛られず、その日の気温や快適さに合わせて『臨機応変に』着物や帯、小物を選んでいく」ということです。

※フォーマルシーンでは「衣替えルール」を厳守しましょう!

着物初心者にとって『臨機応変に』って言葉、スパルタすぎる…(笑)

そんな方へ、SNSやインターネットなどで目にする着物美人をリサーチしてたどり着いたリアルな衣替えの基準・・・

それは、
『最高気温25度』を超える日は『単衣』で!

ここで注意なのが、小物の季節感は統一しましょう。半衿を夏用にするなら、帯揚げ、帯締めも夏用に!

もっと詳しく単衣への移行期間について書いたのがこちらです。

通年OK、『初心者さんはこれ揃えとこ!』な便利品

衣替えのルールがややこしくて多い着物ですが、通年OKなアイテムもあります。

★献上柄の博多帯(紗ではないもの)

献上柄とはこんな柄▼

献上柄

紗は夏だけですが、そうでないものは通年OKで、大変便利です♪

他にも、

★半幅帯

★三分紐

などが通年OKです。

こういう通年使えるものを増やすのがオススメです。「夏に身に着けられるものがない!」という状況が避けられますね。

まとめ│ルールに縛られず自分が心地よい『着物の衣替』を見つけましょう♪

ルールをご説明してきましたが、あくまでただの目安。カジュアルシーンでは、自分が心地よい着方をするのがおすすめです。

何度か出かける中で、基準の気温をおぼえておくといいですね。

例えば、

  • 最高気温25度過ぎたら単衣を着る、
  • 6月中でも最高気温30度を過ぎたら夏物を選ぶ、

そう考えたら、洋服と同じ感覚で着物を着られそうではないですか?

ルールはありますが、気楽に自分が快適な着方で着物で四季を楽しみましょう。

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